※本記事にはPRを含む場合があります。不動産クラウドファンディングは元本保証ではありません。
レントロールは、各部屋の家賃と入居状況を並べた一覧表です。不動産クラファンでも、物件の家賃収入を知る手がかりになります。
ただ、家賃欄に数字が入っていても、すべての部屋から家賃が入っているとは限りません。空室には「これから貸したい家賃」が書かれていることもあるからです。
この記事では架空の4室を例に、家賃表の読み方と、空室が収入に与える影響を説明します。
最初に見るのは「入居中か空室か」と「月額家賃」
レントロールには、部屋番号、面積、入居状況、月額家賃、契約期間などが載っています。
まずは空室の家賃を、いま入ってくる収入に数えないこと。空室の欄に「8.5万円」とあっても、その金額で入居者が決まるまでは家賃は入りません。
入居中でも、家賃無料の「フリーレント」期間なら、その月の家賃は入りません。滞納があれば入金も遅れます。

立地や修繕費も含めて検討したい方は、不動産クラウドファンディングの案件の選び方も参考にしてください。
4室の例:いまの契約月額は24.5万円、満室想定は33万円
101・102・104号室は入居中、103号室は空室という例です。金額は共益費を含まない月額家賃です。
| 部屋 | 状況と月額家賃 |
|---|---|
| 101 | 25㎡/入居中:契約8.0万円 |
| 102 | 23㎡/入居中:契約7.5万円。次の12か月の初月は家賃免除 |
| 103 | 25㎡/空室:現契約0円。募集時の想定8.5万円 |
| 104 | 30㎡/入居中:契約9.0万円 |
入居中の3室の契約家賃は、合計月24.5万円です。4室中3室が埋まっているので、部屋数で計算した稼働率は75%になります。
空室の103号室が8.5万円で決まれば、合計は月33万円、年間396万円。これが「満室想定」の家賃です。103号室が空いている間は、その分の収入はありません。
もう一つ気になるのは、103号室の家賃です。101号室と同じ25㎡なのに、月5,000円高く貸す想定になっています。内装や設備がよければ高い家賃を狙えますが、近隣の似た部屋が8万円で決まっているなら、8.5万円の設定は強気です。
家賃から経費を引いた利回りについては、NOI利回りとは?表面利回りとの違いをご覧ください。
空室3か月と家賃免除を入れると、年額は358.5万円になる
では、103号室の入居者がなかなか決まらず、3か月後に月8万円で決まったらどうなるでしょうか。
102号室は最初の1か月が家賃無料、101・104号室は同じ家賃で1年間入居が続くとして計算します。無料期間以外の家賃は、全室で予定どおり入金される想定です。
| 部屋 | 次の12か月の家賃試算 |
|---|---|
| 101 | 8.0万円×12か月=96万円 |
| 102 | 7.5万円×11か月=82.5万円 |
| 103 | 8.0万円×9か月=72万円 |
| 104 | 9.0万円×12か月=108万円 |
| 合計 | 358.5万円 |
家賃収入は年間358.5万円。満室想定の396万円より、37.5万円少なくなります。
- 103号室の空室3か月:25.5万円減
- 103号室の家賃が月5,000円下がる9か月:4.5万円減
- 102号室の家賃無料1か月:7.5万円減
空室を埋めるのに時間がかかったり、家賃を下げたりすれば、満室想定より収入は減ります。入居者を集めるための家賃無料期間も、収入が減る理由の一つです。
一方、会社が物件を借り上げ、所有者へ固定の賃料を払う「マスターリース」では、空室の影響を抑えられる場合があります。その代わり、借り上げ会社が約束の賃料を払い続けられることが重要です。詳しくはマスターリースの仕組みと注意点をご覧ください。
家賃収入からは管理費・修繕費などがかかる
先ほどの358.5万円からは、管理費、修繕費、税金、保険料などを払います。借入があれば利息もかかるので、家賃収入の全額を配当に使えるわけではありません。
売却益からの配当も予定している案件では、物件がいくらで売れるかも配当額を左右します。家賃が順調に入っていても、売却がうまくいかなければ予定の配当に届かないことがあります。
また、稼働率には部屋数で計算するものと面積で計算するものがあります。大きな部屋が空いていれば、部屋数の稼働率が高くても、家賃収入への影響は大きくなり得ます。古い稼働率のまま、その後の退去が反映されていない場合もあるため、数字の日付も大切です。
物件の利益と投資家が受け取る利回りの関係は、NOIと投資家の利回りの違いをご覧ください。
レントロールが非公開なら、運営会社に何を聞く?
不動産クラファンでは、部屋別のレントロールが公開されず、物件全体の家賃や稼働率しか載っていないこともあります。収益計画の説明でもわからなければ、運営会社へ次の点を聞いてみてください。
- 掲載されている家賃収入は、現在の契約分ですか? 空室の想定家賃も含みますか?
- 空室は、いつから・いくらで貸す計画ですか?
- 家賃無料の期間はありますか? その期間も収益計画に反映されていますか?
例えば「満室想定で年間396万円」だけでは、入居者が決まるまでの空室分が抜けています。何か月分の家賃を見込んでいるかまでわかると、先ほどのように年間の収入を試算できます。
配当の条件や運営会社の報酬など、家賃表以外で押さえておきたい項目は、契約成立前書面の読み方も参考にしてください。
出典・参考
- OwnersBook|不動産投資に関する書類(レントロールの項目・賃料・空室)
- OwnersBook|空室率とは
- CREAL|東京レジデンスⅤ(フリーレント期間の掲載例)
- 国土交通省|不動産特定共同事業の仕組み
資料確認日:2026年10月20日。



