IRR(内部収益率)は、投資額と将来の入出金を現在価値へ割り引いた合計が0になる収益率です。
不動産投資では、賃料や分配金だけでなく、受取時期、保有期間、売却代金まで含めて投資効率を年率で比べられます。
ただし、IRRが高くても利益額が小さい、売却価格の前提が強い、元本を失う可能性が大きい場合があるため、IRRだけで投資先を決めることはできません。
この記事でわかること
・IRRについて最初に押さえたい結論
・IRR(内部収益率)の意味
・受取時期でIRRが変わる理由
・IRRの計算式
・IRR・NPV計算ツール
・100万円を1年間運用する計算例
・早期償還とIRR
・運用延長と実現IRR
・IRRとXIRRの違い
・物件IRR・エクイティIRR・投資家IRRの違い
・IRRと各種利回りの違い
・IRRとNPVの使い分け
・IRRの目安の考え方
・高いIRRの注意点
・IRRを計算できないケース
・Excel・スプレッドシートでの計算方法
・予想IRRを確認する9項目
・よくある質問
・出典・参考
・まとめ
- 結論|IRRは利益額と受取時期を一つの年率で表す指標
- IRR(内部収益率)とは
- 同じ利益額でも、受取時期によってIRRは変わる
- IRRの計算式|NPVが0になる割引率を求める
- IRR・NPV計算ツール
- 具体例|100万円を1年間運用した場合
- 早期償還では年率と受取総額を分けて見る
- 運用延長で実現IRRはどう変わる?
- IRRとXIRRの違い|実際の日付ならXIRRを使う
- 同じIRRでも計算対象が違う|物件・自己資金・投資家・税引後
- IRR・表面利回り・NOI利回り・実質利回りの違い
- IRRとNPVの違い
- IRRの目安は何%?
- 高いIRRほど有利とは限らない
- IRRを計算できない・誤解しやすいケース
- Excel・スプレッドシートでIRRを計算する方法
- 不動産投資・ファンド資料で確認する9項目
- IRRに関するよくある質問
- 出典・参考
- まとめ|IRRは利益額・NPV・リスクと一緒に見る
結論|IRRは利益額と受取時期を一つの年率で表す指標
最初に押さえたい結論
・IRRは、すべての入出金の現在価値合計が0になる収益率
・利益を早く受け取るほど、ほかの条件が同じならIRRは高くなる
・実際の日付で計算するならIRRではなくXIRRを使う
・IRRは投資効率を%で、NPVは目標収益率を超える価値を円で示す
・高IRRでも、利益額、売却前提、損失可能額まで有利とは限らない
IRRが便利なのは、投資時点の支出、運用中の分配、最後の売却・償還など、複数のキャッシュフローを一つの年率へまとめられる点です。
単純に「利益÷投資額」を計算するだけでは見えない、受取時期の違いも反映できます。
一方で、IRRは入力した前提への答えです。
売却価格を高く置けば予想IRRも高くなり、費用や税金を外せば数字はよく見えます。
IRRの大小を見る前に、誰の、どの入出金を、どの期間で計算した数字なのかを確認してください。
IRR(内部収益率)とは
IRRは「Internal Rate of Return」の略で、日本語では内部収益率、内部利益率と呼ばれます。
GPIFの用語解説では、投資期間におけるキャッシュフローの規模とタイミングを考慮して求める収益率とされています。
不動産投資なら、最初に支払った自己資金、保有中の手取り賃料、追加修繕費、最後の売却手取りなどを使います。
不動産ファンドなら、出資金、途中分配、償還金を使います。
国土交通省の実務手引書でも、自己資金に対して投資期間中のインカムゲインと売却時のキャピタルゲインを含めて見る指標として説明されています。
| IRRへ入れるもの | 例 |
|---|---|
| 支出 | 投資額、取得費用、追加出資、修繕費など |
| 受取 | 賃料手取り、分配金、償還金、売却手取りなど |
| 時期 | 各支出・受取が実際に発生した日または計算上の期 |
IRRは会計上の利益率ではなく、現金の出入りを基にした指標です。
含み益があっても売却価格としてキャッシュフローへ置かなければ反映されません。
反対に、将来売却価格を予想値として入れれば予想IRRは計算できますが、その価格で売れるとは限りません。
同じ利益額でも、受取時期によってIRRは変わる
100万円を投資して106万円を受け取る場合、利益はいつ受け取っても6万円です。
しかし、1年後に受け取ればIRRは6.00%、1年半後ならXIRRは約3.97%となります。

早く戻った資金は、再投資したり別の用途へ回したりできます。
IRRはこの時間価値を年率へ反映するため、同じ受取額なら回収が早い方が高くなります。
ただし、早く戻れば自動的に有利という意味ではありません。
再投資先が見つからなければ資金は待機し、早期償還によって本来予定していた分配金が減ることもあります。
IRRは投資中の効率を表しますが、償還後まで含む資産全体の運用結果を保証しません。
IRRの計算式|NPVが0になる割引率を求める
IRRは、将来のキャッシュフローをある率で現在価値へ割り引き、その合計が0になる率を探して求めます。
IRRの基本式
0 = CF0 + CF1 ÷(1+r)¹ + CF2 ÷(1+r)² + … + CFn ÷(1+r)ⁿ
CF:各期のキャッシュフロー r:IRR n:期数

たとえば現在100万円を支払い、1年後に106万円を受け取る場合は「−100万円+106万円÷(1+r)=0」です。
この式を満たすrは0.06なので、IRRは6.00%となります。
複数回の分配がある場合は反復計算で求める
途中で分配金を受け取る、追加出資する、最後に売却代金を受け取るといった場合、式は簡単に解けないことがあります。
Excelや計算ツールは収益率を少しずつ変え、現在価値の合計が0へ近づく点を反復計算で探します。
そのため、正負の入出金の並びによっては解が見つからない、または複数見つかる場合があります。
IRR・NPV計算ツール
投資した日、分配・償還を受けた日と金額を入力すると、日付ベースのIRR(XIRR)、目標収益率でのNPV、利益額、単純総収益率を同時に計算できます。
初期値には、2026年1月1日に100万円を投資し、2027年1月1日に106万円を受け取る例を入れています。
利用前に確認
・入力した日付と金額から投資効率を計算する試算であり、将来の利益や安全性を判定するものではありません。
・予想値と実績値、税引前と税引後、物件全体と投資家手取りを混ぜないでください。
・入力内容と計算結果は端末内で処理し、外部へ送信・保存しません。
上の画面をそのまま操作できます。
表示されない場合は、IRR・NPV計算ツールを別ページで開くこともできます。
入出金が複数回ある場合は行を追加し、実際の発生日を入力してください。
具体例|100万円を1年間運用した場合
2026年1月1日に100万円を支払い、2027年1月1日に106万円を受け取る例では、IRRは6.00%です。
利益額は6万円、単純総収益率も6.00%となります。
| 項目 | 計算結果 |
|---|---|
| 投資額 | 100万円 |
| 1年後の受取額 | 106万円 |
| 損益額 | 6万円 |
| 単純総収益率 | 6.00% |
| IRR | 6.00% |
| 目標収益率5%でのNPV | 約9,524円 |
NPVは「−100万円+106万円÷1.05」で計算し、約9,524円です。
目標収益率5%で割り引いても現在価値がプラスなので、このキャッシュフローは5%という目標を上回る計算になります。
この例では1回投資して1年後に1回受け取るだけなので、IRRと単純総収益率が同じです。
途中分配がある、期間が1年ではない、追加支出がある場合は一致しません。
早期償還では年率と受取総額を分けて見る
2026年1月1日に100万円を投資し、2026年7月1日に103万円で早期償還された場合、利益は3万円、単純総収益率は3%です。
実際の日付で年率換算したXIRRは約6.14%となります。
早期償還の読み方
利益額:3万円
単純総収益率:3.00%
運用日数:181日
XIRR:約6.14%
予定年率に近い水準で日割りされれば、年率換算したIRRは大きく崩れない場合があります。
しかし、半年で運用が終われば、1年間保有する前提の利益額までは受け取れません。
アップサイド配当や全期間分配などの仕組みがなければ、早期償還で実際の分配額は少なくなるのが通常です。
不動産クラウドファンディングの表示年利と実際の受取額の違いは、不動産クラウドファンディングの利回りでも詳しく整理しています。
運用延長で実現IRRはどう変わる?
受取額が106万円のままでも、受取日が2027年1月1日から2027年7月1日へ延びると、XIRRは6.00%から約3.97%へ下がります。
利益額は6万円で変わりませんが、同じ利益を得るまでに546日かかるためです。

延長中にも分配金が発生する、遅延損害金が付く、最終受取額が変わる場合は、その入出金をすべて反映して実現XIRRを計算します。
運用終了日ではなく、元本や分配金が実際に銀行口座へ着金した日まで含めると、投資家側の資金拘束に近い数字になります。
運用延長は元本割れと同じではありません。
延長後に予定額が償還される場合もありますが、延長理由、物件価値、売却・借換えの見込み、運営会社の財務を確認する必要があります。
詳しい見方は償還遅延と元本割れの違いで解説しています。
IRRとXIRRの違い|実際の日付ならXIRRを使う
IRRは月次・年次など等間隔のキャッシュフローを前提にし、XIRRは各入出金の実際の日付を使います。
分配日や償還日は均等にならないため、個人の投資実績を測るならXIRRの方が使いやすい場面が多いです。
| 関数 | 使う場面 |
|---|---|
| IRR | 毎月、毎年など等間隔で発生するキャッシュフロー |
| XIRR | 実際の日付が不規則な投資・分配・償還・売却 |
| NPV | 等間隔のキャッシュフローを目標収益率で現在価値へ割り引く |
| XNPV | 実際の日付のキャッシュフローを目標収益率で現在価値へ割り引く |
MicrosoftのXIRR関数は、定期的でないキャッシュフローへ使い、最初の日から各入出金までを1年365日として割り引きます。
Excelの通常のIRR関数は1期間当たりの収益率を返すため、月次データへ使った結果をそのまま年率と呼ぶことはできません。
月次IRRを年率へ直す例
月次IRRが0.5%なら、単純に12倍するのではなく
(1+0.005)¹²−1 ≒ 年率6.17%
同じIRRでも計算対象が違う|物件・自己資金・投資家・税引後
資料にIRRとだけ書かれていても、どのキャッシュフローを計算した数字かで意味は変わります。
特に借入れを使う不動産投資では、物件全体のIRRと自己資金に対するIRRが大きく離れる場合があります。
| IRRの種類 | 主な計算対象 |
|---|---|
| 物件IRR・プロジェクトIRR | 物件取得、運営収益、売却代金など。借入れ前の資産自体の収益を見る |
| エクイティIRR | 自己資金、借入返済後の手残り、売却時の自己資金回収を使う |
| 投資家IRR | 投資家が実際に支払った金額と受け取った分配・償還を使う |
| 税引後IRR | 税金を支払った後の実際の手取りキャッシュフローを使う |
借入れによって自己資金が小さくなると、エクイティIRRは高く見えることがあります。
その一方で、物件価格が下がったときは自己資金が先に減り、借換えや金利上昇の影響も受けます。
IRRが高くなった理由が物件収益の改善なのか、借入れで損益を増幅した結果なのかを分けてください。
予想IRRと実現IRRも別の数字
予想IRRは将来の賃料、売却価格、売却時期、費用などの仮定を使います。
実現IRRは実際に支払い、受け取った日付と金額から計算します。
予想と実績を比較すると、差が賃料、費用、売却価格、期間のどこから生じたかを確認できます。
IRR・表面利回り・NOI利回り・実質利回りの違い
IRRは複数時点の入出金を年率へまとめますが、表面利回りやNOI利回りは基本的に1年間の収益と価格を比べる指標です。
何を評価したいかに応じて使い分けます。

| 指標 | 主に分かること |
|---|---|
| IRR・XIRR | 複数時点の入出金と受取時期を反映した投資効率 |
| 表面利回り | 年間の想定賃料や分配金を価格で割る簡易的な割合 |
| NOI利回り | 空室・運営費用を反映した物件自体の収益力 |
| 実質利回り | 手数料、入出金、資金拘束などを含めた投資家側の手取りに近い収益率 |
| NPV | 目標収益率で割り引いた後に残る価値の金額 |
NOI利回りが高くても、取得費用、借入利息、売却損、税金を含めた投資家IRRは低い場合があります。
反対に、保有中の利回りが低くても高値売却できればIRRは上がります。
そのため、IRRだけでは賃貸運営が安定していたのか、売却益へ依存したのかまでは分かりません。
入出金と資金拘束を含む利回りは、不動産クラウドファンディングの実質利回りで計算方法を整理しています。
IRRとNPVの違い
IRRは投資効率を%で示し、NPVは目標収益率を超えて生まれる価値を円で示します。
率と金額のどちらか一方だけでは、規模の違う投資を十分に比較できません。
| 比較点 | IRR | NPV |
|---|---|---|
| 表示単位 | % | 円 |
| 答える疑問 | 投資効率は年率何%か | 目標率を超える価値はいくらか |
| 比較しやすい場面 | 投資規模が異なる候補の効率 | 投資によって増える価値の金額 |
| 注意点 | 複数解、規模、再投資前提 | 目標収益率の設定で結果が変わる |
たとえば10万円の投資でIRR20%と、1,000万円の投資でIRR8%があっても、前者の方が利益額もNPVも大きいとは限りません。
資金制約の中で効率を見るならIRR、目標収益率を超えてどれだけ価値を増やすかを見るならNPVが役立ちます。
NRIの解説でも、IRRは効率性、NPVは金額評価に使う考え方が示されています。
実務ではどちらか一方を選ぶのではなく、同じキャッシュフローから両方を確認する方が判断しやすくなります。
IRRの目安は何%?
すべての不動産投資に共通する適正IRRはありません。
投資期間、借入れ、流動性、損失可能性、売却価格の予測誤差が違うため、同じIRRでも受け入れられる水準は変わります。
目安の決め方
目標収益率 = 代替投資で得られる収益率 + 流動性・元本毀損・予測誤差などへ求める上乗せ
比較するときは、税引前と税引後、借入れ前と借入れ後、予想値と実績値をそろえます。
元本の値動きや換金性が違う国債、J-REIT、不動産クラウドファンディングを、表示された年率だけで横並びにしないでください。
ハードルレートを超えれば安全という意味ではない
予想IRRが目標収益率を超えるのは、入力した前提どおりなら収益目標を満たすという意味です。
賃料、空室、売却価格、運用期間が崩れれば実現IRRは下がります。
目標との余裕が小さい案件ほど、少しの前提変更で判断が逆転しやすくなります。
高いIRRほど有利とは限らない
IRRが高い案件は候補になりますが、数字が高くなった理由を分解しないと判断を誤ります。
収益力が高いのではなく、借入れ、短い期間、高い売却価格、費用の除外で見栄えがよくなっている場合があるためです。
IRRが高く見える主な理由
- 早い時期に一部資金を回収する想定
- 最終売却価格が現在価格より大きく上がる想定
- 借入れで自己資金を小さくし、エクイティの損益を増幅
- 取得費用、売却費用、税金、追加修繕などを計算から除外
- 少額の投資で短期間に利益が出る一方、利益額自体は小さい
不動産ファンドでは、最後の売却代金が投資期間全体のIRRを大きく左右します。
高いIRRを示す資料ほど、出口価格の根拠、想定売却時期、売却費用、買い手候補、売却できない場合の代替策を確認してください。
出口の見方は不動産クラウドファンディングの出口戦略でも解説しています。
下方シナリオを同じ式へ入れる
売却価格が10%下がる、売却が半年延びる、賃料収入が減る、追加修繕が発生する場合を別々に試算します。
複数の悪化が同時に起きた場合も計算すると、予想IRRがどれだけ前提へ依存しているかが分かります。
IRRを計算できない・誤解しやすいケース
IRRは、支出と受取が少なくとも1回ずつ必要です。
さらに、キャッシュフローの符号が何度も変わると、IRRが複数存在したり、現実的な範囲に解がなかったりします。
複数解が生じる例
現在:−100
1年後:+230
2年後:−132
このキャッシュフローでは、NPVが0になるIRRが10%と20%の2つあります。
大きな修繕、追加出資、撤去費用、契約終了時の原状回復などで、支出→受取→支出のように符号が複数回変わる投資では注意が必要です。
Excelは推定値に近い一つの解を返すことがあるため、表示された数字だけを唯一のIRRと考えないでください。
| 問題 | 確認方法 |
|---|---|
| 正負の入出金がそろわない | IRRは算出できない。損益額やNPVも含めて入力を見直す |
| IRRが複数ある | 候補を確認し、NPVとキャッシュフローの形で判断する |
| 解が見つからない | 推定値を変えるだけでなく、現実的な解があるか確認する |
| 案件規模が違う | IRRだけでなく利益額とNPVを比べる |
| 途中受取の再投資が難しい | IRRが暗に示す投資効率と実際の資産全体収益を分ける |
Microsoftの解説でも、IRRには複数の許容解や解なしがあり得るとされています。
こうした場合は、目標収益率ごとのNPV、利益額、回収期間、修正内部収益率(MIRR)などを併用します。
Excel・スプレッドシートでIRRを計算する方法
等間隔の入出金ならIRR関数、実際の日付を使うならXIRR関数を使います。
個人の投資記録では日付が不規則になりやすいため、日付列と金額列を作ってXIRRを使う方法が分かりやすいです。
=XIRR(B2:B6, A2:A6)
=XNPV(5%, B2:B6, A2:A6)
A列へ日付、B列へキャッシュフローを入力します。
投資や追加支出はマイナス、分配や償還はプラスです。
XIRRは年率、XNPVは円で結果が出ます。
入力例
A2:2026/1/1 B2:-1000000
A3:2026/7/1 B3:1030000
=XIRR(B2:B3,A2:A3) → 約6.14%
通常のIRR関数は、各セルの間隔を同じ1期間として扱います。
月次と年次を混ぜたり、半年後の受取を1年後として扱ったりすると、年率の意味が変わります。
関数名だけでなく、入力間隔と表示単位を確認してください。
不動産投資・ファンド資料で確認する9項目
予想IRRを見るときは、数字の高さより先に計算対象と前提を確認します。
次の9項目がそろわなければ、別の商品や案件と正しく比較できません。

- 計算対象:物件全体、自己資金、投資家手取り、税引後のどれか
- 投資日:契約日ではなく、実際に資金が出た日を使っているか
- 受取日:予定運用終了日か、実際の銀行着金日か
- 分配金:税金・手数料の控除前後をそろえているか
- 売却価格:出口価格の根拠、売却費用、買い手候補は妥当か
- 借入れ:金利、元本返済、借換え、返済順位を含むか
- 利益額:IRRだけでなく、円ベースの損益とNPVが示されているか
- 下方ケース:延長、賃料減少、価格下落、追加費用を試算したか
- 比較条件:期間、税前後、借入れ、流動性、リスクをそろえたか
不動産クラウドファンディングは、運用期間が予定より短くなる場合も長くなる場合もあります。
表示された期間だけでなく、入金から銀行着金までの資金拘束を確認してください。
期間選びは不動産クラウドファンディングの運用期間で詳しく説明しています。
IRRに関するよくある質問
IRRとは簡単にいうと何ですか?
投資額、途中の受取、最後の回収とその時期をまとめて、一つの年率で表す指標です。
すべてのキャッシュフローを現在価値へ割り引いた合計が0になる率を求めます。
IRRは高いほどよいですか?
同じ計算範囲、期間、リスク、税前後なら、高い方が投資効率はよいと読めます。
ただし、利益額、売却価格の前提、借入れ、損失可能額が違う投資をIRRだけで比べることはできません。
IRRと利回りは同じですか?
同じではありません。
IRRは複数時点の入出金と時間を反映しますが、一般的な表面利回りは1年間の収益を価格で割る簡易的な割合です。
IRRとXIRRはどちらを使えばよいですか?
入出金が毎月・毎年など等間隔ならIRR、実際の日付が不規則ならXIRRを使います。
分配・償還・売却の実績を測る場合はXIRRが向いています。
IRRとNPVはどちらが重要ですか?
両方を使います。
IRRは投資効率を%で比較しやすく、NPVは目標収益率を超えて増える価値を円で確認できます。
IRRの目安は何%ですか?
一律の目安はありません。
代替投資の収益率へ、流動性、元本毀損、期間、予測誤差に見合う上乗せを求め、同じ条件で比較します。
IRRがマイナスになることはありますか?
あります。
受取総額が投資額を下回る場合や、途中の追加支出が大きい場合はマイナスIRRになることがあります。
IRRが複数表示されるのはなぜですか?
支出と受取の符号が複数回変わり、NPVを0にする率が複数存在するためです。
一つのIRRへ絞らず、NPV、利益額、キャッシュフローの形を確認します。
出典・参考
- 年金積立金管理運用独立行政法人「内部収益率(IRR)」
- 国土交通省「CRE戦略を実践するための手引き(資料集)」
- 国土交通省「小規模不動産特定共同事業 実務手引書」
- Microsoft「XIRR関数」
- Microsoft「IRR関数」
- Microsoft「ExcelでNPVとIRRを計算する」
- Googleドキュメント エディタ ヘルプ「IRR」
- 野村総合研究所「NPV/IRR/DCF法」
まとめ|IRRは利益額・NPV・リスクと一緒に見る
IRRは、投資額、途中の分配、最後の売却・償還と、その受取時期を一つの年率へまとめる指標です。
実際の日付で計算するならXIRRを使い、予想値と実現値を分けます。
IRRを見る順番
1.誰の、どのキャッシュフローを計算した数字か確認
2.投資日・受取日・売却価格・費用の前提を確認
3.IRRと利益額・NPVを並べる
4.延長・収益減・価格下落の下方ケースを計算
5.元本毀損リスクと流動性を含めて比較
高いIRRは魅力ですが、それだけで優れた投資とは決まりません。
売却価格や運用期間が崩れたときにどこまで下がるか、実際に増える金額はいくらか、最悪時にいくら失うかまで確認して、初めて投資判断に使える数字になります。



