【Q&A】オルタナにインタビュー!投資家目線の疑問を解消!
三井物産グループが運用するALTERNA(オルタナ)
今回は三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会の共同創業者・取締役の丸野氏にインタビューしました!
・オルタナの魅力について
・ファンドについて
・オルタナの今後について
・クラファン界隈について
・資産形成について
の5分類の質問をさせていただきました!
以下に質問事項を並べておくので、気になったところだけ読めるようにしておきます!
しっかり回答させて頂きましたので、よろしくお願いします!
Q&A一覧
*クリックでその質問箇所に飛べます
①オルタナの魅力について
1-1:他の不動産クラファンとの違いは?
1-2:案件の規模や商品の違い
1-3:利回り表記は配当益のみの表示
1-4:申告分離課税の対象である
②ファンドについて
2-1:ファンド終了後の売却先想定
2-2:オルタナは長期投資だけどデメリットじゃない?
③オルタナの今後について
3-1:不動産以外のファンド予定は?
3-2:ST(小口商品)の投資家間での売却予定は?
④クラファン界隈について
4-1:他クラファンがSTOスキームをしない理由は?
4-2:デジタル証券って盛り上がってるの?
⑤資産形成について
5-1:NISAの次にオルタナを選ぶ理由は?
5-2:オルタナへの想定投資比率は?
本記事はあくまでインタビュー記事になります。
オルタナの基本情報や簡単なメリットデメリットまとめはこちらの記事です。
①オルタナの魅力について
1-1:他の不動産クラファンとの違いは?
ズバリ聞きたいのですが、多数の不動産クラファンがある中で、オルタナの魅力とはなんでしょうか?
投資スキームから扱う物件規模まで、かなり違います。
まずは成り立ちの話からさせて頂きます。
まずオルタナが従来の不動産クラウドファンディングとは違うデジタル証券(STOスキーム)を活用した新しい投資商品です。
不動産は下記のようの投資手法の歴史があります。
デジタル証券は、20年5月に施行された改正金商法で、新しく定義された有価証券です。
ブロックチェーン等のシステムでトークン化(電子化)し、権利移転を図る仕組みになります。
ふむふむ。でもまぁシステム的なことはあまり投資家は関係ないし。。
投資的には何が違うの?
投資的な意味合いでも全く変わってきます。
簡単に表にまとめてみました!
不動産クラウドファンディング | 不動産デジタル証券(ALTERNA) | |
---|---|---|
投資対象 | 比較的小型の不動産 数千万円〜数億円 | 比較的大型の不動産 数十億円〜 |
投資金額 | 1万円〜が多い | 10万円〜 |
利回り表示 | 配当益+売却益 高利回りは売却益を含んでいることが多い | 配当益 売却益は利回りに織り込んでない |
運用期間 | 数ヶ月〜3年程度 | 5年程度 ファンド終了時点で売却し、売却益は投資家に分配 |
売買 | 原則なし 一部持分の買取サービスを行なっている業者もある | 一定の制限付きであり 取引できない期間があるものの、売却申し込み可能 |
税制 | 総合課税(雑所得) 雑所得だと最大55%の税負担あり | 申告分離課税 約20%が源泉徴収、上場株式等の損失と一定期間内の損益通算が可能 |
なるほど。全然違うね。
・案件の規模が違う
・配当益のみの利回り表示
・申告分離課税になる
の3点がミソだと思うので、詳しく説明お願いします。
1つずつご説明させて頂きます!
1-2:案件の規模が違う
ポイント
・期間投資家向けの大規模案件を扱う
*数十億の規模
・大規模案件は比較的価格変動が緩やか
オルタナでは数十億円規模の期間投資家向けの大規模案件を小口化して販売しています。
従来の個人向けの商品に比べて、立地などで優れているため比較的価格変動が緩やかな案件となっています。
既存の不動産クラウドファンディングでは数億円規模までの小規模不動産が対象になることが多いです。
デジタル証券でも同じような案件は取り扱えますが、オルタナでは大型の案件を組成しています。
今までの商品を拡張しているようなかんじだね。
要は取り扱える案件の種類が増えた感じだね。
1-3:配当益のみの利回り表示
ポイント
・オルタナの利回り表記は配当益のみ
・売却益はしっかりと配当される
高配当の不動産クラウドファンディング商品は『賃料などのインカム部分+売却益のキャピタル部分』で表示されていることがほとんどです。
オルタナの商品はインカム収益部分のみの利回り表示のため、売却益は考慮されていません。
実際に売却してファンドが終了された際には売却損益が投資家に分配されます。
ちなみになんでキャピタル部分の表示はないの?
法規制上の要請もありますが、そもそも投資期間が5年程度の長期案件であるため、キャピタル利益の予測はプロでも難しいです。
そのため、売却益の利回りについては記載していません。
ただし、売却益に自信がないと言うわけではないです。
実際に2023/7月時点では組成ファンド全てが発行時よりも値上がりしています。
1-4:申告分離課税になる
ポイント
・クラファンは雑所得
・オルタナは申告分離課税
不動産クラウドファンディングは雑所得で申告するため、総合課税になります。
そのため、他の収益と合算して累進課税が適応になるため、最大55%の税負担が発生します。
また、他の上場株式などの損益通算もできません。
オルタナは申告分離課税での申告になります。
オルタナのデジタル証券に関しては申告分離課税となります。
そのため、約20%が源泉徴収され、上場株式等の損失と一定期間内の損益通算が可能となっています。
収入が多い方や他の投資もされている方にとっては大きなメリットになります。
*申告分離課税の対象になるためには、確定申告の必要があります。
②ファンドについて
2-1:ファンド終了後の売却先想定
数十億円の超大規模案件がオルタナの魅力ですが、ファンド終了時の売却先はあるのでしょうか?
規模が大きすぎて買取手がいるのか不安です。
売却先は機関投資家を想定しています。
オルタナの商品は機関投資家向けの案件を小口化したものです。
そのため、もともと機関投資家などで売買されているような商品ですので買取先はあると思います。
確定ではないですが、おそらく機関投資家などに売却することになると思います。
2-2:オルタナは長期投資だけどデメリットじゃない?
なんとなく不動産クラファン民では短期案件が正義!
みたいな考えの人が多いです。
オルタナは長期ですがその点はどのようにお考えでしょうか?
もともと不動産は長期で持つ方が有利だと考えています。
不動産クラファン特有の長期保有リスクをオルタナは避けることができると考えています。
ポイント
・そもそも不動産は長期で持つ方が有利
・短期が良い理由は倒産リスクなどがあるから
・そのリスクは改善されている
大前提として『不動産は長期で保有する方が有利』です。
なぜなら、不動産のメリットが上場株式などの他のリスク資産に比べて価格が安定しているところだからです。
長期で保有することでこの特性を存分に活かせます。
下記のグラフは上場株式やJ-REITと比べた時の価格変動です。
下記グラフのように他資産に比べて不動産は長期間一定の価格を維持しています。
しかし、短期的にみれば価値が減少しているときもあります。
オルタナは期間5年程度と表記していますが、それ以前に売却することも可能です。
プロの投資家が長期の年月の中で良い相場の時に売却することで、負けにくい投資設計となっています。
長期で保有すると5年間の間に会社が倒産したら、、
なども考えられますが、その点はどうでしょう?
信託の機能を活用することで倒産隔離されています。
一般的な不動産クラファン会社は投資家資金はクラファン会社に預けられます。
ALTERNA(オルタナ)では、投資家資金は信託銀行で分別管理されており、各ファンドも信託の機能を活用して、組成・運用されます。後者はSPC(特別目的会社)を活用したスキームに近いです。これによって『倒産隔離』が可能になり、企業の倒産リスクから切り離すことができます。
SPC(特別目的会社)とは
企業が不動産等の特定の資産を会社から切り離し、その資産を利用した事業のためだけに作られる会社(ペーパーカンパニー)です。
特定の資産を運営会社のクレジットから切り離すことで、その資産の価値にのみ依拠して資金調達ができるようになります。
③オルタナの今後について
3-1:不動産以外のファンド予定は?
現状は不動産のみの取り扱いになっていますが、他セクター商品は考えていますか?
デジタル証券なら、なんでも証券化できそうですが。
実は、、考えております!
オルタナのみで複数のセクターに投資できるような場所にしたいので!
実際にできるかは不透明なところもありますが、いわゆる上場株式や債券以外の商品である『オルタナ資産』を増やす予定になっています。
例えば、船舶、航空機、車両、再生エネルギー、建機、インフラ、海外PEなどです。
オルタナ1つで複数のセクターに分散投資できるような場所にする予定です。
実際に次に考えられている商品とかはありますか?
不動産の次は、船舶などの安定収益が入ってくるインフラ商品を考えています。
入りやすいように円建ての商品を検討中です。
3-2:ST(小口商品)の投資家間での売却予定は?
トークンであれば、暗号資産のようにプラットフォーム上で個人間で売買できる予定はありますか?
法制度に変革があれば、将来的に取り組んでいきたいです。
現状は、期間を設けた上でのオルタナでの買取を受け付けていますが、個人間の取引はできません。
ただし、2023/12月にはセカンダリー市場がオープンしたりと、個人間取引に明るいニュースも入ってきています。
実現可能であれば積極的に取り組んでいく予定です。
お年玉として、たとえば航空機や船のデジタル証券を、子供や孫にプレゼントするような世の中になれば、面白いと思っています。
④クラファン界隈について
4-1:他クラファンがSTOスキームをしない理由は?
今までの話を聞いている限り、不動産クラファンもデジタル証券(STOスキーム)にした方が良さそうですけど、他社が追随しない理由はなんでしょう?
ライセンスが全く違うので、やらないと言うよりかは、できない状況ですね。
通常不動産クラウドファンディングは「不動産特定共同事業法」の許可を持って活動しています。
オルタナの場合は第1種金融商品取引業の許可を得て活動しています。
これは証券会社などが持つものなので、取得するには一定のハードルがあると思います。
4-2:デジタル証券って盛り上がってるの?
デジタル証券って最近よく耳にしますが実際盛り上がっているのでしょうか?
約3年で2000億円まで到達しているので、かなりのスピードで伸びていますね。
不動産案件を軸にしながら2020年にできたデジタル証券は急速に成長しています。
2023年3月時点では約3年間で2349億円まで成長しています。
おそらくオルタナさんみたいに不動産以外も取り扱うようになったら、ますます盛り上がるね。
⑤資産形成について
5-1:NISAの次にオルタナを選ぶ理由は?
投資の第一歩はNISAだという人がほとんどだと思います。
次に投資する場所としてオルタナを選ぶ理由はありますか?
一般的に株式はハイリスク&ハイリターンの商品の位置付けです。
ミドルリスク&ミドルリターンでありながら、株式市場の影響を大きく受けない、分散投資の選択肢としてオルタナを選んでいただく方が多いです。
一般的に資産運用の価格変動リスクは
価格変動リスク高
株式、REIT、デリバティブ、商品取引
価格変動リスク中
不動産やインフラ
*REITは除く
価格変動リスク小
債券、国債、定期預金、普通預金
と言うふうに分類わけできます。
その中で日本人の性質として『普通預金』が一番多く保有しています。
下図のように日本人の『現金・貯金+保険・年金・定型保証』の割合は約80%です。
その中でNISAの投資信託などによって株式セクターの投資が増えてきているのであれば、その次にはミドルリスク&リターンが狙えるオルタナ資産の不動産などに投資するのが良いと考えています。
ポートフォリオの分散の観点からも良い投資になるかと思います。
近年オルタナティブ資産は人気になっており、ハーバード大学基金や年金積立金管理運用独立行政法人も保有割合を増やしています。
5-2:オルタナへの想定投資比率は?
ずばりオルタナにどのくらいの資産割合を投資するべきでしょうか?
人それぞれだと思うので、答えにくいかと思うのですが、、
そうですね。。
年収や状況によって様々なので例を挙げておきます。
まずは、少額からスタートして、徐々に増やしていくのが良いかなと思います。
オルタナをご使用していただいている方の中には、3~5割の資産を入れていただいている方もいます。
ハーバード大学は74%でしたもんね。
ちなみにどんな人が投資されていますか?
本当に幅広い世代にご利用いただいておりますが、30〜60代の働く世代の方々がボリュームゾーンです。
また、投資経験がある方に選ばれるサービスとなっていますが、約1割の方は投資未経験です。
年収や金融資産総額については特に偏りは見られませんでした。
まとめ(ほぼ感想です)
オルタナの魅力
・機関投資家向けのサービスを個人に提供
・価格変動リスクの少ない商品
・倒産隔離などで長期商品の外部的要因リスクを減少
オルタナの商品には僕も投資していますが、かなり固い案件が多いように感じます。
実際にファンドの中身も『超好立地のホテル案件+上場企業への固定賃料契約』みたいな案件がありました。
不動産価格推移に関してはどうしても不明瞭なところがありますが、長期運用で元本割れリスクを減らせるという意見のスジも通っています。
不動産クラファンに投資している身としては、不動産以外のセクターのデジタル商品にもすごく期待しています。
インフラや道路の小口商品が今後でてきたら、めちゃくちゃ面白そうですよね。