デジタル証券の売り方・買い方|投資家間売買の手順・手数料・売買基準価格・分配金ルールを完全解説
本記事では、不動産を裏付けとしたデジタル証券「renga(レンガ)」の売買方法と価格決定の仕組みを解説します。
rengaは従来の不動産クラウドファンディングとは異なり、投資家同士で保有トークンを売買できる国内初のプラットフォームとして注目されています。
初心者が迷わないよう具体的な手順を紹介しつつ、ガチ投資家が納得できるように数字や制度設計も掘り下げます。
この記事でわかること
・rengaとは何か?セキュリティ・トークン入門
・デジタル証券の購入手順(初回募集)
・運用期間中でも売買できる投資家間マーケット
・売り注文の方法とキャンセルルール
・買い注文の方法と約定処理
・売買手数料と計算方法
・売買基準価格の決め方と価格変動
・注文できない期間と注意点
・中途売買した場合の分配金は誰が受け取る?
・いつ購入するのがお得か?
・まとめ
rengaとは何か?セキュリティ・トークン入門

| サービス名 | renga(レンガ) |
| 社名 | デジタル証券株式会社 |
| 本店所在地 | 東京都港区赤坂四丁目15番1号 赤坂ガーデンシティ3階 |
| 代表者 | 代表取締役CEO 山本 浩平 |
| 投資単位 | 10万円単位 (ファンドにより最低出資金額は異なる。) |
| 公式サイト | renga(レンガ)公式HP |
renga(レンガ)は2025年9月1日にスタートしたばかりの新しいデジタル証券サービスです。
「不動産クラウドファンディング」と似ていますが、法的には金融商品取引法に基づくデジタル証券(電子記録移転権利)として位置づけられています。
これにより開示規制が適用されるため、従来のクラウドファンディングよりも透明性が高いのが大きな特長です。

本記事では売買方法などに着目して記載していますが、rengaを網羅的に解説している記事はこちらになります↓
デジタル証券の購入手順(初回募集)

初めてデジタル証券を購入する際の流れを整理します。
ポイント
ステップ1:口座開設と本人確認
ステップ2:ファンド申し込み
ステップ3:当選後の入金と購入確定

ステップ1 – 口座開設と本人確認
rengaの専用プラットフォームで口座を開設します。口座開設料や口座維持費はかからず、本人確認書類の提出を含むeKYC手続きが必要です。審査が完了するとマイページが開設され、預り金口座が付与されます。
ステップ2 – ファンド申し込み
サイト上に公開されている募集中のファンドから投資したい案件を選びます。
小口(10万円単位)での投資が可能で、申し込みは最低出資口数から1口単位で選べます。
*最低出資口数はファンドごとに要確認
先着方式/抽選方式などもファンドごとに確認しましょう。
ステップ3 – 当選後の入金と購入確定
抽選に当選した場合、指定期限までに購入代金を預り金口座に入金します。
期日までに入金が確認されると出資が成立し、ファンド運用開始日にトークンが証券口座に付与されます。
以後は保有口数に応じて年2回の分配金を受け取ります。
運用期間中でも売買できる投資家間マーケット

rengaの特徴は、運用期間中でも保有トークンを他の投資家に売却できる点にあります。
ただし、いつでも売買できるわけではありません。
ポイント
・運用期間中の売買注文は可能
・決算日前後など特定の期間は注文送信ができない
・取引所や私設取引所では売買できず、rengaのシステム内で投資家間売買を行う
・売買価格は一本値(固定値)で、短期的な需給による値動きは発生しない

売買できる期間とできない期間
投資家間売買は原則として運用期間中いつでもできますが、次のような期間は注文受付が停止されます。
- ファンド決算日の前営業日から決算日まで
- 分配金支払日の2営業日前から支払日まで
- 償還日が確定した日以降(ファンド終了間際)
上記期間中は売り注文も買い注文もできません。
急な資金需要がある場合は、早めに売却手続きを検討しましょう。
投資家間売買の仕組み
rengaで取り扱うセキュリティ・トークンは取引所や私設取引所では売買できず、rengaシステム上での投資家間売買のみが可能です。
売り手と買い手は同じ基準価格で注文を出し、システム上で約定・決済が行われます。
注文は相対取引形式であり、株式市場のような注文板やリアルタイム価格変動はありません。
売り注文の方法とキャンセルルール

保有トークンを売却したい場合の手続きと注意点を説明します。
ポイント
・売り注文は「保有トークン一覧」から行い、メール送信で申請する
・メールフォーム作成から当社のメール受信まで24時間以内でなければ無効となる
・受付済の売り注文はキャンセルできるが、買い注文が行われた後はキャンセル不可

売り注文の出し方
- ログイン後に「保有トークン一覧」から売却したいファンドを選び、「売り注文」をクリックします
- ポップアップ表示された売り注文申請フォームで必要書類を閲覧・同意し、売却口数と取引時パスワードを入力して「作成」を押します
- メールアプリが起動するので、件名・本文を変更せずに送信します。申請メールが当社に到達した時点で売り注文が受付されます
- メールフォーム作成から当社のメール受信まで24時間以内でなければ無効となる
*無効になった場合は再度手続きが必要です。 - 売り注文の状況はマイページの「売り注文履歴」で確認できます。
有効期間は原則1か月で、当該期間が経過した場合や、次回分配金支払日の前営業日が先に到来した場合は自動取消となります。
キャンセルルール
受付済みの売り注文は「保有トークン一覧」の売り注文履歴画面から取消ボタンでキャンセルできます。
ただし、買い手からの買い注文が受け付けられた後(ステータスが「約定準備中」に変更後)はキャンセル不可となります。
注文内容をよく確認してから送信しましょう。
買い注文の方法と約定処理

運用中ファンドのセキュリティ・トークンを新規に購入したい場合の手順です。
ポイント
・買い注文は「買い注文」メニューから、売り注文が出ているファンドに対して行う
・申請メール作成後24時間以内に当社へ届かなければ無効

買い注文の出し方
- ログイン後のメニューから「買い注文」を選択し、買い注文の送信が可能なファンド一覧(有効な売り注文のあるファンド)を確認します。
- 購入したいファンドの「買い注文」ボタンを押すと買い注文申請フォームが表示されます。
書面を閲覧・同意し、購入口数と取引時パスワードを入力して「作成」を押します。 - メールアプリが起動するので、内容を変更せずに送信します。当社がこのメールを受信した時点で買い注文が受付され、預り金口座から約定金額(+手数料)が拘束されます。
- メールフォーム作成から当社のメール受信まで24時間以内でなければ無効となる
*無効になった場合は再度手続きします。 - 買い注文の状況は「買い注文履歴」画面で確認でき、キャンセルはできません。
注文内容はよく確認してから送信してください。
約定・決済の流れ
売り手と買い手の注文がマッチすると、ステータスが「約定準備中」に変わり、毎営業日16時頃を目安に一括で約定・決済処理が行われます。
売り手には約定金額から媒介手数料を差し引いた代金が預り残高へ入金され、買い手は約定金額+媒介手数料が引き落とされます。
取引完了後には「取引証明書」と「取引報告書」が交付されます。
売買手数料と計算方法

投資家間売買では、売り手・買い手双方に媒介手数料が課されます。
ポイント
・投資家間売買には売り手・買い手それぞれに媒介手数料(税込)が発生
・媒介手数料 = 売買基準価格 × 約定口数 × 手数料率 × (1 + 消費税率)
・売り手は代金から手数料が減算され、買い手は代金に上乗せされる
*手数料率はファンドごとに異なる

手数料の具体例
たとえば売買基準価格が10万円で手数料率が売り手1.5%、買い手0.5%の場合、1口売買あたりの手数料額は次のとおりです(消費税率10%と仮定)。
| 取引主体 | 手数料率 | 計算式 | 実質手数料 |
|---|---|---|---|
| 売り手 | 1.5% | 10万円 × 1口 × 1.5% × 1.10 | 1,650円 |
| 買い手 | 0.5% | 10万円 × 1口 × 0.5% × 1.10 | 550円 |
実際の手数料率はファンドにより異なるため、契約締結前交付書面などの開示書面を確認してください。
売買基準価格の決め方と価格変動

売買基準価格は投資家間売買における1口あたりの売買単価で、プラットフォームが提示する一本値です。
ポイント
・売買基準価格は、出資金額をベースに投資対象不動産の鑑定評価額の変動率を乗じて算出される
・需給による変動はなく、一定の価格(一本値)で売買される
・売買基準価格は年2回のファンド決算時に再計算される
・短期的な値動きによる売買益は見込めない

価格算定の仕組み
rengaの売買基準価格は、需給(人気)で上下する“板取引の価格”ではなく、「鑑定NAV変動率」を用いて定期的に更新される一本値です。
たとえば鑑定NAVが10%上昇した場合、売買基準価格も同程度上昇する可能性があります。
一方、需給による価格形成は行われないため、短期的に価格が乱高下する心配はありません。
価格は年2回の決算時に見直されるため、最新評価が反映されるまでタイムラグがある点には注意が必要です。
「鑑定NAV変動率」とは?
各計算期間の末日時点における匿名組合決算に係る貸借対照表の有形固定資産の帳簿価額を投資対象不動産の期末鑑定評価額に置き換えた資産総額から総負債額を差し引き、さらにその金額から各計算期間に係る現金分配総額を差し引いたものを売買基準価格の各洗い替え時点における「鑑定NAV」と定義し、その鑑定NAVの前回洗い替え時点からの変動率を「鑑定NAV変動率」といいます。
注文できない期間と注意点

運用期間中の売買注文には停止期間があります。代表的な注意事項は次のとおりです。
ポイント
・ファンド決算日や分配金支払日前は注文が出せない
・償還日が確定したファンドは売買停止となるため、早めの売却を検討
・買い注文は送信後のキャンセルができないので慎重に

売買停止期間の詳細
売買注文が停止される期間は、主に以下の3つです。
- 決算日の前営業日から決算日まで
ファンドの純資産評価や分配金計算のため、売買を停止します。 - 分配金支払日の2営業日前から当日まで
正確な分配金計算と権利者の確定のため、注文を受け付けません。 - 償還日確定後
ファンド償還に向けた名義整理のため、売買サービス自体が停止する可能性があります
この期間中に注文を出そうとしてもエラーになりますので、注意して下さい。
中途売買した場合の分配金は誰が受け取る?

ファンドは半年ごとに決算・分配が行われますが、運用期間中に出資持分を売却・購入した場合の分配金はどのように扱われるのでしょうか。

- 分配金の権利確定日は各計算期間の末日0時
rengaの目論見書では、分配金を受け取る権利は「分配の対象となる計算期間の末日0時00分時点に本匿名組合出資持分を保有する匿名組合員」に帰属すると定めています。
各計算期間の末日は終日売買が停止されるため、この時点で保有している投資家がその期間の分配金を受け取ります。 - 途中で売却すると分配金は受け取れない
計算期間の途中でトークンを売却した投資家は、その保有期間の長短にかかわらず分配金を受け取ることはできません。
たとえば決算日が6月30日と12月31日のファンドで5月1日に売却した場合、その計算期間(1月1日~6月30日)の分配金を受け取れる権利はすべて新しい買い手に移ります。
逆に決算日直前に購入して末日0時時点の保有者になれば、その期間の全分配金を受け取れます。 - 分配金は末日から3か月以内に支払われる
目論見書には、決算日から3か月以内に利用可能な現金を出資割合に応じて分配すると規定されています。
また、決算日直後に売却しても権利落ちによる価格調整はなく、分配金は決算日0時の名義人に支払われます。

最短の保有期間で分配金を受け取りたいなら、計算期間末日(決算日)の直前に買うことが必要です。売買は計算期間末日とその前営業日はできないので、その直前に約定できれば、それが最も効率のいい分配金の受け取り方ということになります。もっとも、買い注文は対象となる銘柄の売り注文がないとできないので、運に左右されるところはありますが。
いつ購入するのがお得か?

中途売買した場合の分配金は誰が受け取る?の章から一番配当受け取りまでの期間が短い買い方を出してみます。
・分配金を受け取る権利
分配の対象となる計算期間の末日0時00分時点に本匿名組合出資持分を保有する匿名組合員
・売買注文が停止される期間
決算日の前営業日から決算日まで
分配金支払日の2営業日前から当日まで
償還日確定後

分配金を狙ってトークンを購入する場合は、決算日前営業日までに保有者となる必要があります。
決算日の前営業日から当日にかけては売買が停止されるため、遅くともその前営業日より前に買い注文を成立させなければ分配金を受け取る権利を得られません。
逆に決算日後に購入した場合は、次の計算期間が終了するまで分配金を受け取れない点に注意しましょう。

逆にこの時期に売却するのは避けた方が良いかもしれませんね。
ただしrengaの売買価格は不動産鑑定評価額に基づく一本値であり、株式のように分配金権利落ち後に価格が下落することはありません。
短期的な「権利取り/権利落ち」を狙うメリットは限定的で、売買手数料も発生するため、あくまで長期的な運用が前提と考えましょう。
分配金を確実に得たい場合は決算日前の停止期間に注意することが必要です。
まとめ
rengaは不動産などを裏付けとしたデジタル証券をブロックチェーン上で発行し、投資家間の自由な売買を実現した画期的なサービスです。
口座開設やファンドへの申込はオンラインで完結し、運用期間中でも所定の条件のもとで売買が可能です。
売買価格は鑑定評価に基づく一本値で短期的な値動きはなく、長期で安定的な収益を得たい投資家に向いています。
反面、注文キャンセルの制限や手数料負担、流動性リスクなども存在するため、制度を十分に理解したうえで投資しましょう。




