【GOLD CROWD】
介護事業のゴールドエイジってどんな会社?
不動産クラウドファンディングのGOLD CROWDでは『ゴールドエイジ〇〇』のファンドがよく組成されます。
基本的にはグループ企業のゴールドエイジ社が運営するサービス付き高齢者住宅が投資対象となっています。
今回はファンドスキームの説明とゴールドエイジ社に焦点をあてて解説します。
GOLD CROWDとは

サービス名 | GOLD CROWD (ゴールドクラウド) |
社名 | ゴールドトラスト株式会社 |
代表取締役 | 林 義明 |
本店所在地 | 愛知県名古屋市中村区名駅3丁目11-22 IT名駅ビル5階 |
利回り実績 | 5.15%~8.26% |
公式サイト | GOLD CROWDの公式HP |
名古屋の不動産クラウドファンディング会社になります。
シニアローン(金融機関からの借入)を併用しているファンドもあるので、『銀行融資を受けれるような固めの案件』かつ『ローンによるレバレッジ効果による利回り上昇』が得られそうです。
また関連会社からの実質家賃保証の制度などもあるので、固めの案件が多い印象です。
ファンドのスキームについて
全案件ではありませんが、GOLD CROWDで募集されるファンドでは
『ゴールドエイジ〇〇』
というファンドが多くあります。
この案件は、グループ企業のゴールドエイジ社が運営するサービス付き高齢者住宅が投資対象となっているファンドです。
今回はそのスキームに関して解説します。
ポイント
・ゴールドエイジ社から介護施設取得
・実際の運営はゴールドエイジ社
・ファンドに固定賃料を振り込む
・満期でゴールドエイジ社が買い戻して終了
グループ会社であるゴールドエイジから物件を取得して、運営者から賃料固定で家賃を受け取り、最終的には買い戻しが行われるのがファンドのスキームです。
以下に図解してみました↓

つまりお金の流れとしては
『投資家資金がゴールドエイジ社に渡り、ゴールドエイジ社から家賃を貰う』
形となっています。
第3社への売却も基本的にはないはずなので、満期でゴールドエイジ社が買い戻すのであれば、ほとんどゴールドエイジ社への出資といっても差し支えないスキームかと思います。
*ファンドによっては金融機関ローンが含まれる場合もあります

つまり、ゴールドエイジ社がしっかり儲かっているか?体力があるか?という点が大事になってきます。
ゴールドエイジ社とは
ポイント
・ゴールドエイジ社の基本情報
・ゴールドエイジ運営施設情報
ゴールドエイジ社の基本情報

社名 | ゴールドエイジ株式会社 |
本社所在地 | 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅 3-11-22 IT名駅ビル1階 |
設立 | 2006年9月 |
資本金 | 1億円 |
代表取締役 | 大原 康博 |
従業員数 | 1,180名 (公開情報ベース) |
主な事業内容 | – サービス付き高齢者向け住宅 の企画・運営 – 訪問介護事業 – 居宅介護支援事業 – 通所介護事業 (デイサービス) – 訪問看護事業 ほか |
介護施設ブランド | 「ゴールドエイジ〇〇」シリーズ |
主な許認可 | – 介護保険関連各種指定 (訪問介護・通所介護ほか) – 不動産特定共同事業許可 〈愛知県知事 第10号〉 – 宅地建物取引業 (愛知県知事(3) 第21460号) |
ゴールドエイジは 医療対応が可能な中重度向けサ高住を中核とし、全国9位規模へ成長した中堅プレーヤーです。
大手以外では最大クラスかと思います。
設備の新しさと24時間介護・看護連携を武器に入居者満足度を維持し、地方都市でも高い稼働率を確保しています。。
愛知・三重・岐阜の東海3県で高い知名度で、関東・東北にも展開しドミナント+選択的全国展開を進行中です。
今後も東海圏を軸に全国での出店を計画しており、“医療対応型サ高住のリーディングカンパニー”*としての存在感を強めています。
ゴールドエイジ運営施設情報
2025-04-24時点のみんなの介護・LIFULL介護掲載情報や、公式サイトなどで稼働率を見てみました。
公式サイトでは空室ありの表示が多くなっていましたが、ポータルサイトでは空室数が1~2の物件が多かったです。
おそらく、公式サイトは “問い合わせ獲得” が目的のため、早い段階から「空室あり」表示を維持する仕様。したがって画面上は空室ばかりに見えますが、実際は 1〜2 室しか残っていないケースが大半です。
実際のサンプル 8 施設の実測値です↓
施設 | 定員 | 残室 | 入居率 |
ゴールドエイジ伊船 | 60 | 3 | 95 % |
ゴールドエイジエフ | 41 | 1 | 97.6 % |
ゴールドエイジ 下之宮ルピナス | 30 | 1 | 96.7 % |
ゴールドエイジ松阪 | 50 | 0 | 100 % |
ゴールドエイジ花三千 | 33 | 0 | 100 % |
ゴールドエイジ小信中島 | 48 | 0 | 100 % |
ゴールドエイジ佐千原 | 42 | 0 | 100 % |
ゴールドエイジ江森 | 44 | 1 | 97.7 % |
平均 | — | — | 98.4 % |
ポータルサイトの情報では、平均入居率は非常に高いものとなっています。
全国平均よりも高い入居率を維持できているように見えました。
ゴールドエイジと他サービスとの比較もしてみました↓
指標 | ゴールドエイジ | 競合 中堅サ高住 (平均) |
1棟あたり戸数 | 30 – 60戸 (平均45戸) | 34.5戸 |
看護師配置率 | 日中100 % (24hは約4割) | 日中看護配置 は約3割程度 |
平均入居率 | 98 % | 90 – 95 % |
重点ターゲット | 中重度~医療依存度高め層 | 自立~軽度中心 |
ゴールドエイジは医療対応型サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)領域で稼働率・入居者評価ともに業界上位を維持しています。
利用者からは「安心できる看護・介護体制」「新しい建物」の満足度が高く、平均評価は3.5超です。
稼働率はほぼ満室水準で推移し、施設拡大フェーズでも安定した需要が確認できました。
ゴールドエイジ社の財務状況など
・GOLD CROWD運営のゴールドトラスト
・介護事業運営のゴールドエイジ
2社の財務状況や売上などの状況を調べてみました。
ゴールドトラスト | ゴールドエイジ | |
総資産 | 5,286 | 5,226 |
流動資産 | 2,449 | 1,258 |
固定資産 | 2,526 (うち有形1,284) | 3,952 (うち有形2,843) |
無形・繰延資産 | 369 | 684 |
負債合計 | 4,396 | 4,210 |
流動負債 | 2,991 (ほぼ「その他流動負債」) | 1,382 (うち匿名組合預り金 710) |
長期借入金 | 1,377 | 2,028 |
純資産 | 890 | 1,016 |
自己資本比率 | 16.8 % | 19.4 % |
ゴールドトラスト | ゴールドエイジ | |
売上高 | 7,393 | 7,157 |
売上総利益 | 1,701 | 4,988 |
営業利益 | 483 | 199 |
経常利益 | 463 | 228 |
当期純利益 | 327 | 161 |
営業利益率 | 6.5 % | 2.8 % |
ROA(経常利益/総資産) | 8.8 % | 4.4 % |
ROE(当期利益/純資産) | 36.7 % | 15.8 % |
ポイント
・ゴールドトラストは資産規模の割に利益体質が良く、借入構造も軽め。流動負債の内訳さえクリアになれば、信用度はまずまず。
・ゴールドエイジは施設取得と人件費負担で利益率が低いが、ROE 15 %台を維持。借入依存は高めなので、金利上昇局面・稼働率ダウン時の耐性がポイント。
・グループ全体としては 自己資本比率 20 %弱、キャッシュ比率 15 %前後 の“中立~やや攻め”の財務スタンス。
過去の情報なども追っていましたが、コロナ期は少し苦しい経営が続いていたようです。
しかし、現在は業績なども回復しています。
実際に会長のブログでも2025/1月に『昨年来の全社員の努力のお陰で「V字回復」を達成しています。』とのコメントもありました。
まとめ
ポイント
・ゴールドエイジ〇〇ファンドの実態はゴールドエイジ社への貸付に近い
・ゴールドエイジ社の施設は高稼働率
・財務状況は万全とは言い難いが悪くはない
今回はGOLD CROWDのゴールドエイジ〇〇ファンドについて掲載してみました。
ゴールドエイジ社の財務状況などを考慮しながら投資するのがベストかと思います。